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寝違え対策
「寝違え」の症状・原因・対策を分かりやすく解説
朝目覚めたときに、首が痛くて動かせない…。そんな体験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。
これは一般に「寝違え」と呼ばれ、医学的には「急性疼痛性頚部拘縮(とうつうせいけいぶこうしゅく)」という状態です。わずかな寝姿勢の乱れから起こることが多い、身近なトラブルですが、動かすたびにズキズキと痛む不快さはとてもつらいものです。
今回は、「寝違え」がどうして起こるのか、どのような症状があるのか、そして予防や対処法について、わかりやすく解説していきます。

寝違えの原因
睡眠時の無理な体勢
寝返りが少なく、首が不自然に曲がった状態で長時間寝てしまうと、筋肉や関節に負担がかかり寝違えの原因になります。
特に枕を使わずソファや床で寝てしまったときに、首に無理な角度がかかることで発症しやすくなります。
合わない寝具の使用
過度に高い枕や極端に柔らかいマットレスは、首本来の自然なカーブを妨げ、寝違えを引き起こす要因に。
マットレスの高さに加えて硬さも重要で、柔らかすぎると寝返りがしづらく、硬すぎても体に負担がかかるため注意が必要です。
首や肩の蓄積疲労
スマートフォンやPC作業の長期継続により首に疲労が蓄積され、睡眠時に筋肉が硬直状態になることがあります。
特に慢性的な肩こりがある方は、寝違えを起こしやすい傾向にあります。
冷えによる筋肉の硬化
エアコンや扇風機の風が首に直接当たると、筋肉が冷えて硬くなりやすくなります。
このようにこわばった筋肉は、ちょっとした動きでも傷つきやすくなり、寝違えを引き起こす原因となります。
疲労蓄積とストレス反応
過度な忙しさからくる身体的疲労やメンタルストレス、不十分な睡眠時間が重なると自律神経系のバランスが崩れ、首周辺や肩の筋肉が緊張状態に陥りやすくなります。
こうした状態が寝違えを引き起こす要因となることもあります。
寝違えの症状
首回りの激痛(発症初期)
寝違えを起こした直後は、首まわりの筋肉に軽い損傷や炎症が生じています。
特に急性期には、動かさなくてもズキズキと痛んだり、触れるだけでつらいこともあります。
首の運動制限
痛みのために首を左右や上下にほとんど動かせなくなることがあります。
無理に動かそうとすると症状が悪化するおそれがあるため、十分な注意が必要です。
肩・背部への痛みの拡散(慢性期)
首の筋肉の緊張が肩や背中に波及し、痛みが広がることがあります。
慢性期になると、炎症自体は落ち着きますが、筋肉のこわばりにより動かしにくさが残るケースもあります。
熱感・腫れ・しびれ・頭痛などの随伴症状
炎症が強い場合、痛みに加えて熱感や腫れを伴うケースも見られます。
首には多くの神経が通っているため、炎症や筋肉のこわばりによって神経が圧迫されると、腕のしびれや頭痛などの症状が生じることがあります。
寝違えを防ぐための対策法
◇ 正しい寝姿勢を意識する
仰向けや横向きで、首の自然なカーブを保てるような寝姿勢を心がけましょう。
◇自分に合った寝具を使う
枕の高さや硬度、マットレスの硬さが自分の体型に適しているかを定期的に見直しましょう。
自然な寝返りができるよう、やや硬めで幅の広い枕の使用をおすすめします。
◇ 首まわりの冷えを防ぐ
冷えは筋肉硬直を促進します。
就寝中も首元を冷やさないようにし、入浴で血行を促進してから眠るのがおすすめです。
◇ 日常のケアとストレス管理を
入浴・十分な睡眠・軽い運動やストレッチで首や肩の筋肉をほぐし、疲労やストレスをためないようにしましょう。
また、過度の飲酒は寝返りの回数を減らすため、控えめにするのが望ましいです。
寝違え対策に効果的なストレッチ方法
首の側屈ストレッチ(横を伸ばす)
- 1. 椅子に座って背筋を伸ばす
- 2. 右手で頭の左側を持ち、ゆっくり右へ倒す
- 3. 左肩が上がらないよう意識し、左首筋を伸ばす(20~30秒)
- 4. ゆっくり戻し、反対側も同様に

肩甲骨まわりストレッチ
- 1. 両肩をすくめてぐっと上げる
- 2. 5秒キープ後、力を抜いてストンと落とす
- 3. 肩を後ろに大きく10回まわす
- 4. 前回しも10回行う

胸開きストレッチ
- 1. 腰の後ろで両手を組む
- 2. 胸を張って腕を後ろに引く
- 3. 顎を軽く引き、首が伸びる感覚を意識
- 4. そのまま20~30秒キープ

寝違えの治療法
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◇ 冷却と安静
炎症が強い初期は、保冷材や湿布などで冷やしながら安静を保つことが基本です。
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◇ 温熱治療・マッサージ
炎症が治まってきたら、患部を温めたり軽くマッサージすることで血行が促進され、回復が早まります。
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◇ 手術が必要なケース
ほとんどの場合は手術不要ですが、まれに神経圧迫が強いときは手術が検討されることもあります。
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◇ 当院での治療① 鍼治療
当院では、寝違えで痛めた筋肉に対して鍼治療を行っています。鍼により筋肉の回復促進や筋肉の緊張を緩めたり、鎮痛効果を図り、寝違えの改善を行います。
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またマッサージだと痛い場合もございますので鍼でピンポイントの筋肉を狙って刺す事で直接筋肉を緩める事も可能です。 -
◇ 当院での治療② ハイボルト治療
当院でのハイボルト治療は、痛めた筋肉の回復促進、鎮痛効果に作用し寝違えの改善を行います。
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電気での治療になりますので、鍼でのアプローチが苦手な方にはハイボルト治療を行います。
また当院のハイボルト治療は電気の種類が数種類あり、患者様の症状に合わせて電気を変えられるので早期改善が期待出来ます。 -
◇ 当院での治療③ 手技療法
当院では、手技療法で筋肉の緊張を緩めたり、鎮痛効果を促し、寝違えの改善を図ります。
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炎症が強い方には、アイシングを施しながら手技療法を行い、消炎効果を促します。
また寝違えで痛めた筋肉だけでなくその周りの筋肉や、寝違えに関係のある筋肉にもアプローチする為痛みで可動域制限のある方にもオススメです。
寝違えは誰にでも起こりうる、身近な首のトラブルです。普段から姿勢や寝具を見直し、体を冷やさないように心がけることで予防が可能です。
痛みが数日続いたり、しびれがある場合は、ほかの疾患の可能性もあるため、早めに医療機関を受診しましょう。