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腱鞘炎対策
腱鞘炎を悪化させない、腱鞘炎対策ガイド
日常生活で手や指を頻繁に使っている私たちにとって、腱鞘炎は意外にも身近な問題です。気づかないうちに手や指に負担をかけてしまい、腱鞘炎を引き起こしていることがあるかもしれません。
しかし、腱鞘炎を放置すると、痛みがひどくなり、動かしづらさが増してしまう可能性があります。そんなリスクを避けるためには、予防法や正しいケアを知って実践することが大切です。
この記事では、腱鞘炎の原因・症状・予防法・治療法をわかりやすく解説します。

腱鞘炎の原因
手や指を頻繁に使用している
パソコン作業やスマートフォンの操作、楽器の演奏、料理、出産後の赤ちゃんのお世話など、手や指を頻繁に使用する動作を繰り返すことで、腱や腱鞘に負担がかかり、炎症が起こることがあります。
特に同じ動作を長時間続ける場合、腱鞘炎のリスクが高まります。
加齢・女性ホルモンバランスの変化
加齢に伴い腱や腱鞘が硬くなることや、女性ホルモンのバランスが変化する妊娠・出産期、更年期の女性は腱鞘炎になりやすい傾向があります。
これらのホルモン変化が、腱や腱鞘の柔軟性に影響を与えると考えられています。
糖尿病
意外と思われるかもしれませんが、実は糖尿病が原因となることもあります。
糖尿病を患っていると、腱や腱鞘に栄養が十分に行き渡らず、柔軟性が失われることがあります。
また、血糖値のコントロールが不十分だと、炎症が起こりやすくなり、腱鞘炎の原因になることがあります。
糖尿病患者では、腱鞘炎が慢性化しやすいとも言われています。
腱鞘炎の症状
腱鞘炎では、炎症を起こしている部分に痛みや腫れがみられることが多いです。
炎症により神経が刺激されると鋭い痛みを感じたり、腱の動きが制限されて、こわばりやしびれが発生する場合もあります。そのため、指や手首を曲げ伸ばししたり、細かい作業を行ったり、力を入れることが難しくなることがあります。
代表的な症状として、「ドケルバン病」や、「ばね指」があります。
以下でそれぞれ解説します。
ドケルバン病
ドケルバン病は、手首の親指側にある腱鞘が炎症を起こし、腱との摩擦によって痛みが生じる症状です。
この腱鞘には、親指を動かす「長母指外転筋腱」と「短母指伸筋腱」が通っています。これらの腱が炎症や摩擦の影響でスムーズに動かなくなることが原因で、痛みや腫れが引き起こされます。
親指を動かしたり、手首をひねる動作で痛みが強くなるのが特徴で、物をつかむ、握る、または絞るといった動作が困難になります。

ばね指
ばね指は、指の腱が腱鞘に引っかかり、スムーズに動かせなくなる状態を指します。
指を曲げた後に伸ばそうとすると引っかかりを感じ、無理に伸ばすと「カクッ」と弾かれるような感覚があるのが特徴です。
この症状は、指を動かすたびに痛みを伴うことがあり、症状が進行すると、指が完全に伸びなくなる場合もあります。
どの指にも発症する可能性がありますが、特に親指、中指、薬指に多く見られます。

腱鞘炎の予防方法
◇ こまめに休憩をとる
手や指を長時間使い続けると腱や腱鞘に負担がかかるため、作業の合間に定期的に休憩を取ることが重要です。
タイピングやスマートフォン操作、家事などの作業中には、10〜15分ごとに手を休めたり、軽くストレッチをすることで負担を軽減できます。
◇ クッションやサポーターの使用する
手首や指に直接負荷がかかるのを防ぐために、クッションやサポーターを利用するのも効果的です。手首を支えるクッションを使えば、キーボードやマウス操作時の負担を軽減できます。
また、腱鞘炎を防ぐ専用のサポーターは動きを妨げず、適度に固定して腱や腱鞘を守ります。
◇ 正しい持ち方でスマートフォンを使用する
スマートフォンの長時間使用は腱鞘炎の原因になりやすいため、持ち方や姿勢に注意しましょう。スマホを目の高さに合わせて持ち、片方の指だけで操作するのではなく、できるだけ両手を使うことがポイントです。
腱鞘炎に効くストレッチ・運動
指のストレッチ
1. 片手を前に伸ばし、反対の手で指を1本ずつ持ちます。
2. 指を軽く後方へ引っ張り、指の付け根や腱を伸ばします。
3. 各指を5秒ずつ行い、両手を交互に行います。
これにより、指の腱鞘の柔軟性を高め、炎症を防ぎます。

手首の回転運動
1. 手首を軽く握り、ゆっくりと時計回りに回します。
2. 同様に反時計回りにも回し、1方向につき10回行います。
この運動は、手首全体の血流を良くし、疲労を軽減します。

※いずれも、ストレッチや運動を行う際、痛みを感じる場合は無理に続けないようにしましょう。
軽い違和感程度なら問題ありませんが、痛みが強い場合は休んで専門家に相談することが大切です。
腱鞘炎の治療法
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◇ 薬物療法
痛みや炎症を抑えるため、消炎鎮痛剤(NSAIDs)を使用します。内服薬や湿布、クリームなどがあり、症状の緩和に効果的です。
特に湿布や外用薬は、患部に直接作用して負担を軽減します。初期段階の治療法としてよく用いられ、日常生活の痛みを和らげます。 -
◇ 注射
ステロイド注射は、腱鞘の炎症を強力に抑える治療法です。局所麻酔薬と併用されることもあり、短期間で症状を緩和する効果が期待できます。
薬物療法で十分な改善が見られない場合や症状が進行した場合に適しています。副作用に注意が必要です。 -
◇ 手術
薬物や注射でも改善しない場合、手術が選択されます。腱鞘を切開して腱の動きを滑らかにする「腱鞘切開術」が一般的です。摩擦や圧迫を解消し、根本的な治療が可能です。
手術後はリハビリが必要で、手首や指の機能回復を促します。 -
◇ 当院での治療① 手技療法
マッサージと温熱療法を用いて手関節や前腕にある筋肉の緊張を緩め、腱鞘炎に対する痛みを緩和させます。
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◇ 当院での治療② 鍼治療
鍼治療は、マッサージでは届かない深部の筋肉にまでアプローチできるだけでなく、痛みや筋緊張の強い手関節や前腕に直接的にアプローチすることにより腱鞘炎に対する痛みを緩和させます。
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◇ 当院での治療③ ハイボルト治療
ハイボルト治療は、高圧の電気刺激を用いて筋肉や神経に刺激する方法です。
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関節や筋肉の痛みの緩和、血行の促進、関節の可動域の改善に効果があり、腱鞘炎に対しても効果があります。
腱鞘炎は、初期の段階で適切な治療を行うことで、症状を軽減させることができます。
手首や指の使い過ぎを避け、無理なく日常生活を送るためにも早めの対処が重要です。
腱鞘炎の症状でお悩みの方は、一度当院までご相談ください。いつでもご連絡をお待ちしております。